第一期として参加している経産省のイノベーター創出プログラム「始動 Next Innovator」の第一回の講義がありました。
私が最も憧れる企業のIDEOのワークショップです。
細かい中身には触れませんが、感じた12のキーワードをまとめました

1.スライドをシンプルに
キーメッセージ+補強する写真ORチャート一つだけ
投影用は黒地ベースにに白文字が一番きれい

2.まずは体で描くことが大事。Reasoningは後から
・デザイナーは絵や物を通じて、直感を表現する。右脳的作業に慣れるために、左脳型の人は実践すると良い
・今の気分を色で塗る。目の前のサインペンを使う。fearを書き、次にHopeを書く、レゴを好きに作って、後から何を作ったか説明する、などを短時間でやることで、この作業に慣れる。

3.プロトタイピングの価値は、出来上がった物そのものではなく、その過程を通じて生まれるコミュニケーション
・プロトタイプを通じてデザインが見えることに価値があるのではなく、ステークホルダーを巻き込むことで、意思決定がスムーズになることに価値がある
・物理的な物体があると、それを媒介(メディア)としてコミュニケーションがしやすくなる。肯定も否定も、人・アイデアではなく、物が吸収してくれる

4.日本人は拡散フェーズが苦手
・様々な仕掛けで、アイデアを出しやすいように温めることが大事

5.思考の多様性を理解するのに、「観察」のワークが有効
・「オフィスの周りで、美を観察してきてください」といったお題を出すと、人によって何を見てくるかがバラバラ。アイデアの差異は、得てして議論になりがちだが、観察眼の違いは、事実として受け入れやすい。世界は一つでも、感じ方は多数。それが多様性

6.観察する際に、Activity, Interaction , User , Environment, Objectの「アイウエオ」で見ると良い
ア:動き、やっていること
イ:物と人、人と人、店員と客、など
ウ:ユーザーの属性、感情など
エ:周辺の環境
オ:その場にある物、普段は無いもの(例:雨の日に店に持ち込まれる傘という異物)
その観点を元に、何故そういう状況が生まれているか、を考えると、デザインが見えてくる
何でもない日常のビデオを皆で見て、観察できたことを言い合うといったワークをフィールドに出る前に実施すると有効

7.客観的な観察から主観的な観察へ
・企業やサービスの戦略とは、How do you see the worldに対する答えから生まれる

8.類推は強力な武器
・救急救命のプロセスデザインの際に、似ている環境をということで、NASCARのレース中のpitを観察した
各自に明確な役割があり、タイヤを変える人にはバックアップが必ずいる、レーサーは患者同様にプロセス中全くの無力。だから一人話しかける相手がいる
・Connecting Dotsという言葉が流行っているので、共感を得やすくなった

9.物事の判断をするモノサシはいくつもある
・短期から長期に視点を変えるだけでも、世界への理解は変わりうる

10.Letting Go Your Idea
・アイデアをシェアすることで、フィードバックを得る。これはプロトタイプと同じく、コミュニケーションによる価値を生むための考え。そしてアイデアを自分から手放すことで、「自分が全てを背負わなければいけない」という間違った固定観念から開放される。それによってアイデアの可能性が広がっていく
・ただし人はそれに恐怖心を感じるもの。ポストイットを使うなど、物を媒介にするとスムーズになる。
・今回は短冊を使った。これはパーフェクトなデザインだと思う。日本人が自然にアイデアを「書き」、「周囲と共有し」、笹に「見える化」し、一定期間「保存される」。また裏にそのアイデアへのアドバイスを書く仕組みにしたのも、フィードバックを体感させるための仕掛けとして秀逸。
物を媒介にすることで、コミュニケーションの確率を上げる、また適切な物をチョイスする、これが「デザインの極意」ではないだろうか・

11.Losen Controls, Tighten Connections
・イノベーションを生み出すための必須条件

12.Make others successful
・誰かを助けたい、という感情が今は最も強力な武器に、チームビルディングでもマーケティングでもなり得る。2015年のMost Innovative Companyの第一位はWarby Parkersというカスタマイズ眼鏡のEC。ここで一本眼鏡を買うと、途上国に一本寄付される。

(参考)プロダクトデザイナーを取材したドキュメント映画「Objectifiy